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はしがき
中学校と高校とで6年間英語を学び、英語を母国語とする人たちにとってもかなり難解な入試問題を解いて、入学してくる大学1年生の大多数はほとんど英会話ができない。大学での授業は週1回、しかも50人以上のクラスで行われ、1年か2年間で英会話の授業は終わりである。英会話学校へでも行かない限り、ほとんどの大学生は英会話ができないまま卒業していく、というのが現状である。
永年、日本の大学で英会話を教えてきた著者は、こうした状況の中でどうしたら効果的に英会話の指導ができるかに腐心し、5年有余の歳月をかけて、実践しながら完成したのが、このYou andYourPartner
である。
限られた時間でもっとも効果をあげる学習は、学習者が主体的、自発的に学習することにあることに着目した著者は、教師対学生という従来行われていた学習サイクルを、学生対学生のサイクルに変えることによって、練習量を倍増、いや数倍にすることに成功している。教材作成と指導法の根底に流れている著者の思想は、Oral
ApproachとNotional Approachのそれぞれの長所を生かすこと、そしてPattern
Drills → Questions and Answers → Controlled
Conversation →
Free
Conversation という言語学習の理想的流れを、何ら抵抗なくスムーズに行えるようにすることである。
本書の構成は、各課とも次の3つの部分からなっている。
Part T. Patterns Drills & Dialogs
文型練習と、その文型を用いての対話練習。
Part U. The Story
短い物語と、それに基づいたQuestions
and Answers.
Paert V.You and Your Partner
Part T,Uで学習した言語材料を用いて、学生同士で自然な 自由会話を行う。
最後に、本教材の上記以外の特長を列記する。
1.教材内容は、学生の興味と関心に重点を置いて精選してある。
2.Notional-Functional
Syllabus を念頭におき、基本的日常会話の 場面を設定している。
3.知識として英語を学ぶのではなく、コミュニケーションのための道 具として英語を使う練習に力点をおいている。
4.日本人がしばしば間違いを犯す英語表現については、脚注と付 録で注意深く言及しており、時として、目からウロコが落ちる思い のする箇所が随所にある。
5.言語習得の基本である反復練習には、特に留意をしている。
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