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まえがき(一部抜粋)
Longman Dictionary of Contemporary English (1995:378)はdifferentの項目に次の文を挙げている。洋の東西を問わず、語学教師の立場を象徴的に表しているように思われる。
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Teacher often prefer different(ly) from, but diffrent(ly) to is equally common in spoken British English.
Different(ly) than isalso used especially in American English.
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文法指導は規範主義(prescriptism)の立場に立ってなされるのが一般的な傾向であるが、英米語圏における母語としての英語が日常どのように用いられているのか、その実体を理解していることは必要であり、また重要なことであろう。教師が生きたことばの現実の姿を把握していることによって、学生の犯す誤りに対しても寛容な態度で望むことができ、より適切な指導が可能になると思われるからである。このことが学生たちの英語学習に対する積極的な動機付けを促す原動力ともなるであろう。(中略)
本書の執筆に当って、先ずそれぞれの項目について若干考察し、次に中学校・高等学校の検定テキストでは当該文法事項がどのように扱われているかを調べた。更に英国、米国、日本において近年出版された辞書をそれぞれ4種類、計12種類取り上げ、これらの辞書にはどのような記述・説明がなされているのか、また挙げてある例文についても調べ、必要に応じて相互の比較を試みた。本書のもう一つの大きな特徴は、すでに言及している通り、5千7百万語に及ぶコーパス(COUBUILD
Direct) を用いてこれらの語法の検証を試みたことである。また、各章末の「むすび」には「英語教育への示唆」として実際指導上のヒントを挙げている−。
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