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編集後記
大塚フォーラムの第19号が例年通り世に出ることを私たち一同の喜びとしたい。巻頭論文には昨年講演していただいた入江和生氏の興味深いまた含蓄に富む論文「英米文学における金銭感覚」を掲載した。お送りいただいた会員の論文はすべて掲載でき、不合格になったものは皆無であった。ただし、規定枚数を超過したのが2点あったが、本人に連絡して規定枚数内に収めていただいた。会長のお話では、全般的には質の向上が見られるとのことであるが、論旨が一貫性を欠いていたり、総花的な話題提供に留まっているものが若干あるという意見もあったとのことである。
これまで本誌に掲載されてきた会員の論文は、多様性があるものの、全体として英語学(含:文法、語彙、音声)、英米文学、英語教育の各分野の現代的諸問題を取り上げ、その解決に迫る緻密で意欲的なものが多く、本誌の評価を高めている。本誌の評価をさらに高めているのは、円熟された大先輩による特別寄稿や本会主催の英文学的旅行記などが頻繁に掲載されることであると思う。
新しい視点で学問上の諸問題を解決しようとすると、そこには長期にわたり、しかも忍耐を要する試行錯誤の過程が当然ながら生まれるが、その場合でも中間報告的なものとして本誌に発表していただきたいと思う。本誌の編集委員は幹事全員が担当し、提出された論文はすべて査読し、ご希望に応じて適切なコメントなどをヴェテランの立場から行うことになっている。それを参考にしていただければ、よりよい論文が仕上がるだろう。今後ともお若い会員が遠慮なく多く執筆していただきたいと思う。
幹事会で、本誌の出版費用をできるだけ抑えようということが決まり、幹事の浅羽亮一氏のお世話で、リュウワ印刷にお願いすることになった。
大塚英語研究会は月例研究会に先だって幹事会を開いているが、同窓のよしみもあって、円滑な運営が行われてきた。本誌の掲載論文の枚数制限、月例研究会の発表者、バックナンバーの取扱い、会員制か現行方式かなど、議題にしてきたが、会員の方々のご意見をできるだけ反映させて運営し、本会と本会会員の発展のために役立つ道を見つけていきたい。懇親会などを通して、建設的なご意見などをお寄せください。 (島岡 丘)
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