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目 次
まえがき
第T章 Communicative Approach の言語理論
---三つの源泉
1 ハイムズの‘Communicative Competence’論
(1)言語能力(comptence)と言語運用(performance)の
一体的把握
(2)言語習得装置(LAD)に対する問題提起
2 ハリデーの社会学的意味論
(1)発話行為の社会性
(2)社会学的意味論における「意味」のとらえ方
(3)意味選択項目と文法カテゴリー
(4)英語教育への応用可能性
3 オースチンの言語行為論
(1)行為遂行発言としての発話
(2)原初的遂行発言と明示的遂行発言
(3)言語行為の複合的性質
(4)言語行為論がCAに与えた影響
4 三つの言語理論に共通する理念
第U章 ‘Communicative Competence’の諸相
1 今、なぜ‘Communicative Competence’か
(1)‘Communicative Competence’のとらえにくさ
(2)CCをどうとらえるかは言語教育の目標に関連する
(3)CCを「自明で常識的な概念」と割り切らない
2 CCをどう定義するか---「定義」をめぐる一般的な問題
(1)名辞的定義と機能的定義
(2)CCを操作的に定義するのは難しい
(3)CCを機能的に定義する視点
3 「能力」(competence)のとらえ方---絶対的概念と相対的概念
(1)高く評価されるテイラーの論文
(2)テイラーの議論の前提
(3)‘competence’に対するチョムスキーとハイムズの意味づけの 違い
(4)‘competence’の日常的な意味・用法
(5)ハイムズの考え方に対するテイラーの評価
(6)「潜在能力」と「行動能力」
(7)ハイムズの‘competence’観---テイラーの結論
4 二つの理論モデルの対比と評価
(1)コミュニケーションは総合的な行動能力
(2)コミュニケーション能力に関する二つの理論モデル
(3)二つの理論モデルの評価について
(4)言語教育内容の分節について
(5)言語項目の厳密な定義と析出は困難
(6)学習者の価値観や動機の重要性
(7)〔Competence
Model〕について留意すべきこと
5 教室授業における二つの理論モデルのインターフェース
(1)CCの内容規定はなぜ必要か
(2)言語の形式・構造に対する意識的注意(気づき)と明示的・暗 黙的知識
(3)言語形式への「気づき」の重要性
(4)明示的知識と暗黙的知識のまとめ
(5)「知る」と「行う」の関係---宣言型知識と手続型知識
(6)知識タイプの組み合わせと教室授業
(7)望ましい教室授業方略
6 まとめと結論
第V章 外国語(英語)科のテストはどのような「能力」 を測定すべきか
1 何が問題か
2 「テスト」「測定」「評価」の概念の区別
(1)テストと評価の関係
(2)テストの定義
(3)テストの測定
3 外国語(英語)科のテストが測定してきた学力
(1)われわれが慣れ親しんでいる考え方
(2)「技能と構成要素」による言語能力測定モデルの問題点
4 コミュニケーション能力をどう考えるか
(1)「能力」をあらわすさまざまな用語
(2)コミュニケーション能力の定義
5 言語テストの内容・形式への新しいアプローチ
6 外国語(英語)科テストの妥当性について
7 テストの作成手順
8 現実問題への配慮
第W章 シラバス構成論における
過程シラバス(Process
Syllabus)の意義
1 問題意識
2 カリキュラム/シラバスについて---概念整理
(1)カリキュラム(curriculum)とシラバス(syllabus)
(2)アメリカとイギリスの用語法の違い
(3)「カリキュラム」と「シラバス」についてのまとめ
3 シラバス構成原理をめぐる論点
(1)シラバス構成論の歩みと関心の高まり
(2)シラバスにおける教授法の位置づけ
(3)シラバスの「買手危険負担」(caveat emptor)
4 「知識」のとらえ方とシラバス---二つのタイプ
(1)シラバスの一般的な性格
(2)二つのタイプの比較
(3)2種類のプランニングの必要性
(4)言語教育における第1タイプのシラバスへの批判
5 内容シラバスから過程シラバスへ
(1)過程シラバス論の特徴
(2)シラバスの作成と使用に共通する創造性
(3)シラバスの構成原理と学習者の位置づけ
(4)シラバスを再解釈することの意義
(5)過程シラバスをどう構成するか
(6)過程シラバスへの展望
第X章 学習指導要領にみる外国語(英語)科の
教授内容と教授法の変遷
1 学習指導要領を研究する意義
(1)学習指導要領に対する学校現場の関心
(2)基本的な性格の変化
(3)学習指導要領の改訂のポイント
2 中学校外国語(英語)科の教授内容と教授法の変化
(1)「言語材料」「題材」「学習活動」の特定
---昭和33年(1958)改訂の特徴
(2)「文型」「文」の分離、言語活動の導入、拘束性の一定の 緩和---昭和44年(1969)改訂の特徴
(3)授業時間数の削減と言語活動の内容の高度化
---昭和52年(1977)改訂の特徴
(4)「聞くこと」「話すこと」の分離と言語材料の学年別配当の 廃止---昭和64年(1989)改訂の特徴
3 高等学校の外国語(英語)科学学習指導要領の変遷
(1)各改訂の理念と主な変更点
(2)指導語彙数の変化
(3)改訂のまとめと問題点
4 学習指導要領のガイドライン化と学校現場からのシラバスづ くりの必要性
第Y章 教室授業の改善の方向---「活動」概念の
検討
1 問題意識
2 外国語(英語)の授業における「活動」概念
(1)外国語の授業の活性化と「活動」への着目
(2)「行為」と「活動」の区別
3 「タスク」をどうとらえるか
(1)「タスク」(task)という新たな用語の登場
(2)独自の「タスク」概念にもとづいた最初の授業研究
(3)「タスク」(task)と「活動」の重要性
4 教室授業における「活動」の重要性
(1)「タスク」研究と現実の授業との関係
(2)授業構想における「活動」と「タスク」
(3)「活動」のデザインについて
5 これからの教室授業の課題
参考・引用文献
あとがき
索引 |
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