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ルー・アンドレアス−ザロメ
−ニーチェ、リルケ、フロイトの道連れ
by Werner Ross  立花 光訳
四六判,並製,180頁                
定価:本体1,500円+税
初版発行日:
2002.4.15
ISBN4-89798-624-9

世紀転換期の精神史に影のように1つの名前が現れる.その名は,ルー・アンドレアス−ザロメ.彼女を取り巻くめくるめく人間模様は,世紀末を深く彩りながら近代ヨーロッパ精神を開花させた.時代を創造する幾多の男たちに愛され,自らも愛し抜き,自らも数多くの作品を残した.天才たちに翻弄されることなく互角で渡り合い,いや時には彼ら以上に深い洞察力を示す強靱な精神力を所持し得た彼女の才知は、時代を先んじたものだった−.
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               訳者あとがき

 
 本書はWerner Ross: Lou Andreas-Salome---Weggefahrtin von Nietzche,Rilke,Freud--1.Auflage Berlin: Siedler,1992(Corso bei Siedler)の全訳である。この稀有にして非凡なルー・ザロメ(1861-1937)に関してはすでに日本に紹介されリリアーナ・カヴァーニ監督の映画 『善悪の彼岸』 などにも取り上げられているが、しかしニーチェやリルケ、フロイトは一般読者にもよく知られているにもかかわらず、ルー・ザロメの名はややもすれば彼ら巨星の陰に隠れてしまい馴染みうすいかと思われる。このような状況を払拭したくもあり敢えてここに訳出することを試みた。それというのも著者は長らくニーチェ研究に専心され、その必然的な産物でもある『ルー・アンドレアス−ザロメ』をも著された。このような経緯の中で著者の意向もありこの作品を彼の紹介かたがた取り上げた次第である。訳者にとってもニーチェを惑乱させたルーとはどんな魅惑的な女性かと長いこと心の片隅にあり、あの有名な1882年にチューリッヒでハインリッヒ・ヴィルトが撮影したすらりとした痩身の彼女の写真は強烈に刻印されていた---
(以下省略
)
 
                
                  目  次

1.少女ルイーゼ

2.いかなる星のもとに

3.タウンテンブルクの二人の悪魔

4。回転木馬と出世

5.恋人たち

6.理解の天才

7.美しいルーのメルヘン


  ヴェルナー・ロス
  注
  訳者あとがき


    
 
                ヴェルナー・ロス
は、1912年にニーダラインのエルディンゲンで生まれ彼の師は偉大なロマニスト、エルンスト・ロベルト・クルティウスであった。ローマのドイツ学園の校長を最後としての長いイタリア滞在は、ヴェルナー・ロスの内に人文主義的な教養と姿勢を刻みつけた。1964年、彼は真の意味でゲーテの人生教訓を指標とし、その実践の場としてゲーテ・インスティトゥートの校長を引き受けた。ミュンヘン大学で彼は---その間、大きな新聞やラジオ局で批評かならびにエッセイストとしての才能をも示した---名誉教授として比較文学と文芸批評の教鞭をとった。退職後、1980年にヴェルナー・ロスは彼の主要作品となったニーチェ伝記『不安げな鷲』をもって最後を締め括った。それを機として、すんでのところでニーチェの恋人になりかけたルー・アンドレアス−ザロメの生に対する関与が生まれたのである。





発行所: リーベル出版(Liber Press)


 
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